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つぶやきしーちゃん

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孫誕生物語2 「嫁、吠える」

時間の経過と共に
陣痛は強く、間隔は短くなってきた。
そして息子、嫁の母、私は交代で
そんな嫁の腰をさすり続けた。

嫁は私同様小柄で、しかもガリガリである。
色も白く見るからに弱々しい。
実際、あまり丈夫ではないようで
だからこそ私は妊娠初期から心配した。
けれど嫁のお産は至って順調で
まさにマニュアル通りに進んでいた。

「う~ん・・・うー」
自分の時を思えば、ほとんど声を出すことなく
痛みに耐え続けた記憶があるが、嫁は違った。
彼女は思いっきり吠えることで
陣痛と闘ったのである。
そしてその声は徐々にパワーアップした。
「う゛~・・・う゛わぁ~!!」
「うぉ~!!」
「痛~い、痛い、痛い」
「あ~もうヤダ~ヤダヤダ」
その声は静かなフロアにこだました。

実は、声を出せばそれだけ余計な体力を使う。
叫んだところで痛みが和らぐわけもなく
本番に備えて体力を残すためにも
なるべく叫ばずに堪えた方が良い。
けれど、横にいる実母が何も言わないのに
私がそれを言うことは躊躇われた。
彼女は息子の子供を産むために
一生懸命頑張ってくれているのである。

6時を回る頃、子宮口は7センチまで開いた。
あと3センチ!
いよいよゴールが見えて来たのである。
頻繁に様子を見に来る助産師が言った。
「たぶんお昼までには産まれるでしょう」
え~!まだまだじゃん。
もはや嫁は体力を使い果たした感があり
水を飲みつつ痛みと闘うも
すでに目の周りにはクマができ
その顔つきも全く変わっていた。

10時を過ぎ、やっと目標の10センチになった。
これでやっと分娩室に移動できるのかと思えば
それはもっともっと
赤ちゃんが下りて来てからの話らしい。
それを聞いた嫁はグッタリである。

嫁はずっと四つん這いで陣痛に耐えたが
下りて来易くするためには上向きがいいらしい。
ということで体勢を変え
おなかにモニターをつけ、その時を待った。
この頃には痛みの間隔は開くようになったが
痛んでいる時間も長くなってきた。
嫁はその姿勢で痛みと闘い、叫び
のたうち回った。

皆さんは40年ほど前にヒットした
オカルト映画「エクソシスト」をご存知だろうか。
悪霊に取り憑かれた少女の悪魔払いをする
それはそれは怖い話である。
今、目の前の布団の上で
苦しみ吠え続ける嫁の姿は
まさにこの少女リーガンの
悪魔払いのシーンに瓜二つであった・・・。

必死に頑張る嫁を前に
何とも不謹慎な義母である。

まだつづく。
Commented by かりん at 2014-07-10 07:35 x
まさしく、遠い昔を思い出す光景。
私も痛いを連発し、もだえ苦しんで4030gの長男を産んだことが思い出されます。
そして、お嫁さんのその時が、これから起きる我が家の光景だと思います。
私、これから戦場に向かう心境です。
婆ちゃんデビューも楽してできませんな....
Commented by shi_chan1024 at 2014-07-10 21:44
いよいよ次はかりんさんちの番ですね♪
お嫁さんの身体を考えれば
確かに大きくなり過ぎないうちに産めれば楽でしょうが
やっぱり、その時を自然に任せて待つ方が良い気がします。

4キロを超えたら、そりゃ~もだえますね。
うちの息子も3550gでしたが
さらに500gも大きいって・・・想像を絶します。
今さらながらお疲れさまでした。

かりんさんのばあちゃんデビュー
私も楽しみに待ってま~す(^^)
by shi_chan1024 | 2014-07-09 23:59 | しーちゃんファミリー | Comments(2)

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